AIが指摘するヒトのポカやうっかり(品質管理)

私もそうなのですが、人は「これでいいのだ」と思い込むことがある。でも実は違うところに正解があったりする。そういった人のうっかりやポカを指摘するAIについてお話しします。




かんたんにお話しすると。

目次
目次はこんな感じです。

■製造業は生データ(現場データ)の中に答えがある。
本当に原価高騰は水道代、ガス代、光熱費が原因か?ある会社から与えられたデータを可視化してみました。本当に水道代、ガス代、光熱費は原価高騰しているでしょうか。
高熱水道料高騰が原価圧迫要因ではない
光熱水道料高騰が原価圧迫要因ではないことがわかります。

けして光熱水道料は高騰していない。

■発想の落とし穴。
では、何が原因で見積もりが合わないのか。
一般的に製造業が見積もりを行うときに、材料費、労務費、経費という原価の三要素を合計して利益を乗せて見積もる。
ここに落とし穴がある。製造間接費の存在を忘れているのだ。

製造間接費の原価への反映を忘れている
製造間接費の原価への反映を忘れている

機械を1時間使ったら原価に1500円配賦しないといけない。

■人の思い込み
社長は考える、投入する薬液の濃度によって不良が発生するという認識。でも本当に正しいのか。
ABC分析結果
ABC分析結果 AIに不良要因のABC分析をさせると実は薬液の濃度や投入量と無関係であることがわかる。

その仮説は正しいのか。

■品質の状態を可視化する
品質の状態を可視化してみた。これを管理図という。AIに薬液の濃度測定結果をあたえて管理図を作った。
薬液の管理図
薬液の管理図 管理図は上部管理限界線(赤)と下部管理限界線(赤)の内側で濃度が推移すれば、統計的に問題ないとする品質の可視化の手法である。この結果、薬液の濃度には問題ないことがわかる。

■新しい管理法の提言
そこでAIは新しい管理法を提言してくる。
AIは品質管理上の問題点はカレンダーだといってくる
AIは品質管理上の問題点はカレンダーだといってくる。
休日明けは薬液の撹拌が必要だ、月中は液温、フィルター劣化に気をつけろ、月末は液の劣化に注意しろと言ってくる。

まさしくAIに人の盲点を突かれたと考えた。