2005年8月31日

2005年8月31日 インターネットの進展と経済環境への影響

インターネットの進展と経済環境への影響について

はじめに

2003年度ベースにおけるわが国インターネット人口は7700万人となった 、それに伴い企業のインターネット利用が促進されている。そこで、 「企業戦略とインターネット利用」について考えてゆきたいと思う。

減少する郵便物取り扱い量

 情報通信白書によると、「企業のインターネット利用率と総引受郵便物数とは負の相関関係」 にあることを示している。

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  • 年度|internet利用率|総引受郵便物数
  • 1999| 30% |  260億通 
  • 2000| 40% |  263億通 
  • 2001| 60% |  265億通 
  • 2002| 80% |  260億通 
  • 2003| 80% |  256億通 
  • 2004| 80% |  250億通 
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出所:情報通信白書、統計値は年度末

 これは電子メールや添付ファイルなどの通信によって、また、挨拶状、年賀状などが インターネットで代用されていることを示しているのではないか。郵政の民営化など盛んに 議論されているが、単純に郵便物の発送という側面で考えるとこの分野は衰退傾向が顕著である。

 しかし、逆の考えも成り立つように思える。著者の事務所は意図的に郵便物(特に お礼状)を多用することがある。電子メールのお礼状はあまり送らないようにしているのだ。 この結果は良好である。お客様の満足は電子メールでは得られにくいのかもしれない。人間が 感情を持つ生き物である限り、電子メールのビジネスレターとお客様への感謝を込めた お礼状とは併用するのがよいのではないか。

従来の利権を壊すインターネット

 インターネットの普及は、「企業コンプライアンス遵守」 を促進している効果もあるのではないか。企業が犯罪的行為を行うとネットの書き込み等 で告発が行われるからだ。この結果、不正な談合等の取引やその斡旋をお粉人々が逮捕 されるなど、「政官財の癒着構造」が成立しにくくなった。

 このような公開型社会になると「利権型政治は斜陽」となる。 従来であると、経営者は「官僚の発言」「族議員とのコネクション」「政府の 政策」にさえ関心をもっていればそれほど大過なかった。しかし、 最近では、これら利権の傘下に入ってもあまりよいことはなく、むしろ、社会的に批判 されるリスクも多くなった。

例えば今回の選挙もどのように推移するかは不透明である。その結果によっては、 株価の変動などもありうる。このため、インターネット社会における経営者は、自社を 取り巻くあらゆる環境に目配りが必要になる。

システムアナリスト・中小企業診断士 加藤忠宏の所見

 例えば、わが国の中小企業施策も大きな変革をみせつつある「中小企業 基本法」の改正の結果、「中小企業は助けるべき弱者でなく、今後は、 経済社会の一員」という認識が提起されている。 この影響は中小企業に対する補助金などに影響を与えている。 当然ながらばら撒き型の補助金はほとんどなくなっている。

 このような影響を受けている業種が私たち中小企業診断士である。 乱暴な言い方をすれば、かつては、仕事を取ることのうまいボスについていれば、喰い っぱぐれはなかった。このため有力な中小企業診断士の先輩の周囲には、多くの取り巻きが いた。  もし、中小企業診断士も国家資格としてふさわしい能力を備えて いるならば、自らの業態を変革し、コンサルタントとして力をつけ、経営者に尊敬される ようなコンサルティングツール(製品)を開発してゆく必要がある。

 インターネット社会は情報の伝播が早い積極的インターネット活用によって 企業もコンサルタントも経営環境に即応するような経営戦略の立案と実行が 求められるのではないか。

参考:日本経済新聞 2005年8月22日「ネットと文明 企業は今①」
参考:日本経済新聞 2005年8月22日「経営の視点」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏



投稿者 kato : 00:00

2005年8月27日

2005年8月27日 ブログで広がる経営者ネットワーク

blog(ブログ)が結ぶ経営のコラボレーション

広がるブログ利用者

 総務庁調査によると2005年3月末でブログ開設者は335万人 (閲覧ユーザ数1651万人)である。これが2007年3月末には、 ブログ開設者は782万人(閲覧ユーザ数3500万人)となる見込みという。 また、ブログソフトなどのブログ市場は140億円になると予測されている。

大手ポータルサイトのブログ戦略

 基本的に大手ポータルサイトのブログ戦略は、「ブログ利用者」 や「閲覧者」の増加によって、ポータルサイトのヒット数を増大することにある。 この結果、ポータルサイトの運用企業には広告収入が入るというビジネスモデル である。

 このほか、大手ポータルサイトの戦略の代表的事例は次の通りである。

  • 楽天は成功報酬型のブログによる商品「推奨」制度
  • エキサイトによる、ブログ品質を高めるためにアダルトサイトや成功報酬型広告を認めない戦略
  • 製薬会社とアロマテラピーブログのような「コラボレーションブログ」

 いずれにしてもブログをポータルサイトの「集客ツール」 と位置づけている点である。

地方の経営者のコラボレーショを促進するブログ

 私の関与する高知の「電脳営業塾」では、主としてBtoBによる 製造業受注を促進する研究を行っている。この「電脳営業塾」のなかの 有志が私的研究会「甚六塾」 を設立し、継続的ITの勉強会を繰り広げ交流を図っている。

 以前から「電脳営業塾」では、岡山の異業種サイト 「吉備きびスクエア」のメンバーなどと コラボレーションしてきたが、有志による勉強会は熱気を帯び、ブログによって 他県の経営者を巻き込んだ交流につながっている。

基本はナレッジの共有

 甚六塾では、自社で獲得したWeb受注のノウハウを占有せず、他のやる気の ある企業と共有し、相互に切磋琢磨するという方針を貫いている。この会の特徴は 次のとおりである。

  • 1.多数の眼により、新たなIT技術動向を監視し、迅速な対応可能に
  • 2.若手経営者どおしのコラボレーションを強化し、相互受注や経営的知識の獲得
  • 3.互いに人間的に尊敬しあうことによって、人間力の強化が可能
  • 4.楽しい雰囲気、参加しやすい雰囲気がブログから伝わり他県の経営者とのコラボレーションが可能
  • 5.ブログを通して新たなネットワークノウハウの獲得

 要点は「ナレッジの共有」である。

システムアナリスト加藤の意見

 著者は平成12年から財団法人高知県産業センターとコラボレーションし、 電脳営業塾とそのBtoBサイト 「高知よさこいファクトリ」 設立に関与している。このサイト参加企業の 総受注額は2004年度で年間3億円弱であると推察され、毎年売上は増加傾向にある。

しかし、これほどの盛り上がりを示すとは全く予想をしなかった。この成功要因 として次のような点が挙げられる。

  • 1.製造業若手経営者の教育に主眼においた支援カリキュラムの成功
  • 2.ナレッジを共有する文化の醸成の成功。
  • 3.若手経営者を束ねるリーダの登場
  • 4.飲みにケーションの成功
  • 5.高知県産業振興センターという中立な組織のコーディネート

この成功の火を絶やさず、拡大して行けたらと思う。

2005年8月17日 日本経済新聞「VBが主役 市場を開く② 増殖するブログ」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏



投稿者 kato : 23:39

2005年6月23日

2005年6月23日 新規上場するIT系企業とビジネスモデル

新規ビジネス上場企業にみる、ビジネスモデル

過去2番目の水準となる上場企業数

2005年度上半期の国内株式市場への上場企業数は75社に登る。この結果、ネットバブルで 知られる2000年同期を上回る上場企業数となった。過去の最高は1995年前期77社だ。

上場する企業は主として「インターネット関連」と「リサイクル関連」企業が多い。株式 市場はジャスダックが36社で最も多い。特に「インターネット関連」企業はネット第二世代と いわれている。

なぜネット関連企業は上場しやすいのか

自分もIT系企業(零細企業であるが)を経営している立場から考えるに、他の業態の企業 に比べて経営リスクが少ない。ライブドアの堀江氏も述べていたように「失敗してもゼロであり マイナスはない」

特に新たなビジネスモデル確立に巨大な投資を必要としないことが大きい。また、一端、 ビジネスモデルの確立に成功すると級数的に営業成果が波及する点も見逃せない。

また、米国がそうだったように「この企業は伸びるのではないか」という投資家の投資 意欲を喚起する点も無視しがたい。投資家は企業成績の成長性に期待する。このために、 投資家の投資意欲も強くなる。

IT系企業のビジネスモデルの特徴

自分の体験からすると、IT系企業のビジネスモデルの特徴は次の通りである。

  • 投資は主としてIT投資と人的投資となる
  • How toの獲得を急ぐときはM & Aが有効、そのために自社の株価が高い必要がある。
  • 株価を上昇させるためには企業価値を高め、投資家の投資意欲を高める必要がある
  • コストのかかる業務はアウトソーシングが基本

自分の企業の場合、コストの大半は人件費である。しかし、ナレッジを社内に蓄積するためには、 社員教育や核となる業務運営のためのスタッフ確保は必要である。

システムアナリスト加藤忠宏の意見

ITガバナンスは経営戦略を反映するものだけに、めりはりのある管理能力が求められる

コーポレートガバナンスの強化

企業経営者の不正が業績悪化に直結しやすい。このため適切な企業統治が求められる。 経営者のコンプライアンスのための知識やモラルが求められるだろう。経営者の辛いところ は「知らない」では済まされないことである。

ワンチャンスを活かしきる、観察力と行動力

本当に良い市場というものは、普通の人から見るとたいした市場にしか見えなかったりする。 例えば、SEOやBtoBなどのビジネスモデルも著者が手がけた1998年頃は一顧だにされなかった。 しかし、現在ではそれなりの市場規模を持っている。したがって、 他人がなんといおうと、自分が正しいと冷静に判断したのであるならば、 強い信念をもって行動しビジネスモデル化することが経営者に求められる。

参考:日本経済新聞2005年6月7日「新規上場活発、半年で75社」



投稿者 kato : 00:25

2005年6月14日

2005年6月14日 成功報酬型広告

成功報酬型広告とビジネスモデル

成功報酬型広告を導入してみました

弊社のサイトで成功報酬広告の掲載を始めた。アドセンス広告である。この広告は次のような特徴を持つ。

・Googleが弊社のサイトに適合する広告を選択して掲載する
・弊社側はフィルタリングする広告主を選べる
・掲載広告がクリックされると弊社にフィーが支払われる
・掲載場所は弊社が選べる

1ヶ月広告を掲載してみたのですが。比較的好調に広告収入が入っております。ヒット数に対してクリック率は1.4%程度です。

ドミノ・ピザも成功報酬型広告の導入

日経記事を読むとドミノ・ピザも同様の広告を導入するという。同社のネット受注率は6%程度というが、今後は20%程度に引き上げると予定という。

システムアナリスト加藤忠宏の所見

成功報酬型広告はアドワーズのようなPPC(Pay Per Click)型広告よりもクリック率がかなり高い。弊社の事例では、成功報酬型が1.4%であるのに対して、PPCは0.3%程度である。これは成功報酬型広告が掲載サイトを適切に選ぶ機能を備えていることにある。

掲載を依頼する側も、弊社のように掲載企業もリスクが少なく報酬が大きいシステムである。このシステムを有効に活用することにより、ヒット数の多いWebサイトの企業の企業価値を高めることができる。

参考:日経MJ 2005年6月10日「成功報酬型広告を導入」



投稿者 kato : 22:14