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2009年4月20日

平成21年 2009年 プロジェクトマネージャ試験 小論文 問3の解答速報です

平成21年 プロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ 問3 解答例 

1 プロジェクトの特徴とパッケージの利用目的
1.1 プロジェクトの特徴

 私が勤務するA社は、ソフトウェア開発ベンダである。今般は独自工業技術を提供する 製造業X社の受注、原価計算、日程計画、購買、生産管理システム開発プロジェクトにプロジェクト管理者として 参画した。
 本プロジェクトの目標特徴は以下のとおりである。

  1. A社の方針として、経営資本利益率を高めるため、できるだけ情報化投資をせずにERPパッケージを用いて開発を行う
  2. ERPパッケージを導入するため業務改革が必要である
  3. 業務改革を行うため、ユーザの代表として総務課長や他部署のメンバーが業務改革委員として プロジェクトに参画する
  4. 業務改革を成功させるため、経営者から「全体的最適化」の方針に沿ってまとめるようにとの訓示があった

業務改革チーム:A社の各部署を代表したメンバーが A社業務の現状を調査し、A社のあるべき姿(業務フロー)をDFDなどで定義してゆく。
要件定義チーム:業務改革の結果に基づいて。業務定義を行い、ERPの実態に即した外部設計書を アウトプットする3人。
ERPカスタムチーム:ERPパッケージを導入しカスタメードする。
インフラチーム:ネットワーク、データベース、サーバ及び機器設定の専門家集団。3人
プログラム開発チーム:要件定義書に基づいてERPに存在しない機能を作りこんでゆくメンバー 8人
このほか、管理者としての私とプロジェクト文書担当者1名である。

1.2 業務パッケージの採用目的
 A社では営業管理システム、会計・給与システム、顧客管理システム、生産管理システムなどが個別に稼動していた。 このため、営業担当者は顧客から見積もり依頼を受けると会計セクションに原価の問い合わせをして見積書を作成していた。
 また、生産日程計画を立案する場合でも購買セクションや生産セクションとの情報交換や調整に 多大な時間を要していた。このため、①部署間での情報共有、②情報共有による業務生産性の向上。 ③業務生産性の改善によるQR(Quick Response)、④計画作成における属人性の排除を目的として 業務パッケージソフトの導入を計画した。
2 外付けプログラムの開発
2.1 外付けプログラムが必要となった理由

 A社が選定したパッケージソフトウェアは、標準原価計算と総合原価計算が標準機能として 実装されている。しかし、A社は大規模な受注を特徴としており、工事完成基準に基づく原価計算を希望していた。
 あえて、異なる原価計算基準のパッケージを導入した理由は、他のパッケージに比べて希望する機能を標準的に 実装していたこと。経営者が最も重視していた日程計画作成機能がA社の業務に適合していたことなどからである。
 本来ならば、業務パッケージに業務を適合させてゆくことが慣用であるが、標準原価計算と工事完成基準とでは 原価の集計の仕方や生産途中えられる集計結果が従来とまったく異なるため。原価計算部分だけ外付けのプログラム 開発が必要になった。。

2.2 外付けプログラムの概要

 標準原価計算では、まずかつてのコスト事例に基づいて、材料費、加工費ごとに標準原価が設定される。 それに予定時間数を乗じて原価予測を立てて、実際の原価と比較を行う。
 これに対して工事完成基準は、加工進捗度に基づいて原価の集計が行われる。このため、実際の作業時間による 原価測定と加工進捗度にもとづく原価測定では生産中途において集計される原価額が異なる。
2.3 利用部門との協議と経緯
 利用部門との協議を行うに際して留意したことは次のことである。

  1. スコープ管理委員会をA社担当者、当社担当社で開催すること
  2. スコープ委員会で、原価計算法を変更した場合の、品質的影響、影響の及ぼす範囲の確定を行うこと
  3. 外付け開発する場合の予算規模を算定し、ユーザ承認してもらうこと
  4. それ以外の外付けプログラムの開発は優先順位をつけて、それぞれの案件ごとにスコープ委員会で 開発承認を行うこと。
 いくつか他にも外付けプログラムの要望があったが、「パッケージ標準を崩すと保守性に影響が出ること」 「運用コスト増につながること」をユーザに説明し説得した。
 この結果、①外付けプログラムは原価計算プログラムと、その改定の影響を受けるプログラムのみと すること、②今後、外付けプログラムの開発依頼が出た場合には、スコープ委員会で 予算的側面、保守性の側面、品質的側面で検討を行い可否決定することが決定した。。
3 工夫と結果と改善点
3.1 工夫

 A社メンバーの説得。ユーザはシステムに改定を加えたリスクが予想できない。そこで、シミュレータソフトを 使い原価計算ソフトに変更を加えた場合、どこまで影響があるのかを可視的に確認してもらった。
 それをスコープ委員会で、各委員立会いのもと実施して、改定に必要な費用の概算見積もり案を提示しながら 説明した。

3.2 成果と改善点

 プロジェクト期間中に強化したことは次のとおりである。

  1. ビジュアルとコストに訴求する説得は効果があった。
  2. その結果、ユーザからの外付けプログラム変更開発要望は抑止された
  3. 今回はユーザが協力的にスコープ管理に参加してくれたので効果があった。非協力的な場合も想定されるの 対処法を検討しておく必要がある。
 また、今回はユーザの要望としてパッケージソフトの指名ではじまったプロジェクトである。しかし、 パッケージありきでの開発ではなく、なぜ、パッケージ導入するのかを十分検討した上で開発に入れるようにしたい。 以上
プロジェクトマネージャ試験、小論文対策講座(有)アイ・リンク・コンサルタント



投稿者 kato : 2009年4月20日 15:17