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2005年8月15日

PM平成15年午後II 問1・解答例

PM平成15年午後II問1 小論文

1 プロジェクトの概要とチームの役割
1.1 プロジェクトの概要

 私が参画したプロジェクトは製造業A社の受注管理システムである。 本システムは受注から、技術検討、見積り、 生産計画出力までを開発範囲としている。 同システムは主としてデータベースと帳票画面を主体としたシステムである。 このため、システム開発に当たってはDOA法を採用していた。

 プロジェクト組織は、プロジェクト管理者としての私とデータベース 開発チーム3名、アプリケーション開発チーム4名、 ネットワークチームの2名によって構成されている。 当初、上司から打診があったとき、私は「開発チームの主力メンバーが集まらない こと」と「A社が一度システム開発後の運用に失敗していること」 を理由に辞退した。しかし、上司からA社との長年の取引を理由に説得され、 開発組織に参画することになった。

1.2 チームリーダを採用したチームの役割

私がチームリーダを外部から採用したチームは、 データベース開発チームである。 このチームは、業務分析結果であるDFDや帳票、 画面を受けてデータベースの概要設計を行いE-R図を作成後、 データベースの論理設計、正規化・実装、 SQL文の作成を行うことを責務としている。

1.3 社外リーダの採用を検討した理由

 データベースチームは、業務繁忙ゆえ、適切なリーダが他プロジェクト に投入され不在だった。また、開発メンバーは国家資格の有資格者を含めて 優秀なメンバーが投入されていたが若いメンバーが多く、 業務分析に関する知識を備えていなかった。また、 データベースサーバは開発の中核であり、他のリーダなどとの折衝を行う 必要性もあることから、コミュニケーション能力を 備えたリーダの存在が必要だった。

2 社外からのチームリーダの採用について
2.1 社内の協力会社管理体制について

 弊社では協力会社への仕事の依頼を行うための手続きとしてISO9000に準拠する「購買管理規定」が存在している。このため、本件の採用に当たってもこの購買管理規定にのっとって採用手続きを計画した。

2.2 書類選考

<弊社に協力会社として、格付け、登録されている企業及び個人 中から次の条件に該当する人物をリーダ候補として3名リストアップした。
 1.DOA開発にチームリーダとして参画した実績があること
 2.当社での開発プロジェクトに参画した経験があり、 当社の開発標準や仕事の進め方に理解がある人。
 3.若手の指導・教育経験及びスキルのありそうな人物であること。 OJTの指導スキルを持つ人。
 4.製造業の業務プロセスについて理解がある人

2.3 書類の提出と面接の実施
2.3.1 書類の提出

 私は、上司の許可を得て、当該候補3名に打診を行うと共に、業務経歴書の提出を求めた。そのうえで、その人物ごとに質問の項目を決めて、リストアップしておいた。

2.3.2 面接の実施

 チームリーダ候補者3名を個々に面接した。事前にリストアップした面接項目及び質問事項を発意した。特に、①製造業に関する業務知識がどれだけの深さあるか。②会話や説明能力に説得力があるか。③コミュニケーションが苦手な人物に対しても粘り強くわかりやすい話が出来るかなどを中心として面接を実施した。④当社の開発プロジェクトに参画したときの経験を元に開発標準や開発基盤への理解を検証した。⑤また、メンバーの力量を想定した発意を行い、適切なOJT指導プランが回答されるかどうか聞いてみた。  なお、面接は私、上司及び技術専門官の3名でジャッジすることになった。

2.4 上司との協議、他者の助言

 面接の結果を5段階評価で採点して面接に立ち会った3者の意見を総合評定した。また、それぞれの候補者と一緒に仕事をしたことのある、弊社内のメンバーの意見も参考にした。

 以上の結果から、候補者3人の中からX氏を採用した。X氏は以前、弊社で仕事をしたことのある人物で弊社の文書化のルールや開発標準に熟知していた。また仕事の進め方も良く理解している人物である。さらに、若手のOJT指導能力にも定評のある人物であり、現在は独立して独自のソフトウェア開発企業の経営者兼SEをしている人物である。

 人物的にも積極的に他とコミュニケーションが取れ、かつ顧客にも意見の言える人という評価である。

3 評価と改善
3.1 評価
3.1.1 協力会社管理の手続きの妥当性

 私は当社の「購買管理規定」にしたがって、リーダの選定、依頼手続きを行った。この手続きは社内の品質管理委員会による内部監査を受けており、妥当の評価を得ている。

3.1.2  リーダの活動内容の評価

 今回、X氏にお願いすることによって、A社プロジェクトの基幹部分は品質、納期とも顧客から高い評価を受けてノークレームであると共に、社内的にも他のアプリケーションとの連携も十分であった。

 X氏は若手教育もうまく、若手が作成したドキュメントを基にして、ディスカッション形式で若手の設計したドキュメントの問題点や改善点を指摘しながら文書品質を高めてゆく手法をとった。また、技術上の問題点についても他セクションと協議しつつ問題解決した。

3.2 改善点

 今回はX氏にお願いすることによって、プロジェクトが円滑に推移した。しかし、毎回、X氏のように適切な人物の調達が行われるとは限らない。このため、組織的にプロジェクトリーダ教育の体系的な教育体制の確立が必要と考える。また、協力会社の人物に、弊社標準で円滑に仕事をしてもらう仕組みも必要だと考えた。

(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏



投稿者 kato : 2005年8月15日 00:14