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2005年8月31日

2005年8月31日 インターネットの進展と経済環境への影響

インターネットの進展と経済環境への影響について

はじめに

2003年度ベースにおけるわが国インターネット人口は7700万人となった 、それに伴い企業のインターネット利用が促進されている。そこで、 「企業戦略とインターネット利用」について考えてゆきたいと思う。

減少する郵便物取り扱い量

 情報通信白書によると、「企業のインターネット利用率と総引受郵便物数とは負の相関関係」 にあることを示している。

  • -------------------------------------
  • 年度|internet利用率|総引受郵便物数
  • 1999| 30% |  260億通 
  • 2000| 40% |  263億通 
  • 2001| 60% |  265億通 
  • 2002| 80% |  260億通 
  • 2003| 80% |  256億通 
  • 2004| 80% |  250億通 
  • -------------------------------------
出所:情報通信白書、統計値は年度末

 これは電子メールや添付ファイルなどの通信によって、また、挨拶状、年賀状などが インターネットで代用されていることを示しているのではないか。郵政の民営化など盛んに 議論されているが、単純に郵便物の発送という側面で考えるとこの分野は衰退傾向が顕著である。

 しかし、逆の考えも成り立つように思える。著者の事務所は意図的に郵便物(特に お礼状)を多用することがある。電子メールのお礼状はあまり送らないようにしているのだ。 この結果は良好である。お客様の満足は電子メールでは得られにくいのかもしれない。人間が 感情を持つ生き物である限り、電子メールのビジネスレターとお客様への感謝を込めた お礼状とは併用するのがよいのではないか。

従来の利権を壊すインターネット

 インターネットの普及は、「企業コンプライアンス遵守」 を促進している効果もあるのではないか。企業が犯罪的行為を行うとネットの書き込み等 で告発が行われるからだ。この結果、不正な談合等の取引やその斡旋をお粉人々が逮捕 されるなど、「政官財の癒着構造」が成立しにくくなった。

 このような公開型社会になると「利権型政治は斜陽」となる。 従来であると、経営者は「官僚の発言」「族議員とのコネクション」「政府の 政策」にさえ関心をもっていればそれほど大過なかった。しかし、 最近では、これら利権の傘下に入ってもあまりよいことはなく、むしろ、社会的に批判 されるリスクも多くなった。

例えば今回の選挙もどのように推移するかは不透明である。その結果によっては、 株価の変動などもありうる。このため、インターネット社会における経営者は、自社を 取り巻くあらゆる環境に目配りが必要になる。

システムアナリスト・中小企業診断士 加藤忠宏の所見

 例えば、わが国の中小企業施策も大きな変革をみせつつある「中小企業 基本法」の改正の結果、「中小企業は助けるべき弱者でなく、今後は、 経済社会の一員」という認識が提起されている。 この影響は中小企業に対する補助金などに影響を与えている。 当然ながらばら撒き型の補助金はほとんどなくなっている。

 このような影響を受けている業種が私たち中小企業診断士である。 乱暴な言い方をすれば、かつては、仕事を取ることのうまいボスについていれば、喰い っぱぐれはなかった。このため有力な中小企業診断士の先輩の周囲には、多くの取り巻きが いた。  もし、中小企業診断士も国家資格としてふさわしい能力を備えて いるならば、自らの業態を変革し、コンサルタントとして力をつけ、経営者に尊敬される ようなコンサルティングツール(製品)を開発してゆく必要がある。

 インターネット社会は情報の伝播が早い積極的インターネット活用によって 企業もコンサルタントも経営環境に即応するような経営戦略の立案と実行が 求められるのではないか。

参考:日本経済新聞 2005年8月22日「ネットと文明 企業は今①」
参考:日本経済新聞 2005年8月22日「経営の視点」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 00:00

2005年8月29日

2005年8月29日 広がる、中国へのオフショア開発

広がるオフショア開発

 日立製作所、富士通、NECなどでミドルウェアやOS等のソフト開発に関する 海外委託(オフショア開発)が進展している。2005年度の見通し として、昨年度と比較して委託件数や金額は1.5倍~2倍弱程度に拡大する見込みだ。 委託先としては中国が多い。

中国の委託が多いわけ

わが国のソフト・オフショア開発が多い理由として 次のような理由が挙げられる。

  • 米国は英語の話せるインドへの委託が多い。それと対比して日本 はソフト・オフショア開発先として中国が多くなる
  • 中国技術者1人あたりの費用は日本の半額である
  • 開発を取りまとめる担当者が日中を往復する費用が低減できる
  • 中国に発注を集中させることによって、業種別の開発ノウハウを蓄積できる
  • この結果、中国の発注先の専門性も増し、特定の業種別に集中発注できる

 この結果、日本国内での開発にくらべソフト・オフショア開発 ではコストは30%~40%削減できる

全体的オフショア発注動向

日立、富士通、NECの発注動向は次のとおりだ。

  • --------------------------------------
  •  年度 |  日立  |富士通 | NEC
  • --------------------------------------
  • 2004年度| 1,100人  |1,000人 | 150億円
  • 2005年度| 2,000人  |1,500人 | 170億円
  • --------------------------------------
  • ※出所:日経2005/8/22

 人民元の切上げも人件費割安感を生む原因となっているらしい。

システムアナリスト 加藤忠宏の見解
ユーザとしての見解

 ユーザとして、委託したソフトウェアの品質に問題が無い限り、安価な方向は 大変歓迎である。特に、ユーザサイドからみて。「なぜ、こんな不自由なシステム がこんなに効果なのか」という不満もある。そのような問題の解消策として ソフト・オフショア開発は有効であろう。また、プロジェクトマネージャ としても赤字プロジェクト回避策として有難いだろう。

SE教育者としての見解

 しかし、歓迎ばかりしてはいられない。最近、国家試験のソフトウェア開発技術者 の育成教育を行っていて思うことは、「ソフト開発技術者の論理構成能力が 低下している」という点である。特に、それはアルゴリズムの読解をさせて みるとよくわかる。SQL文は読めるが汎用的アルゴリズムが読めない技術者が多発している。 この問題の放置は「わが国ソフト開発産業の自爆」に繋がりそうな 気がしている。

PM論文作成者としての見解

 また、プロジェクトマネージャ試験の小論文作成指導者としての立場をいうと、 日本のSEでさえ、要件定義を理解させるだけで相当の苦労なのに、言葉の違う人への 指導は世話の焼ける話だ。また、相手は文化が異なる人達。そのような人達への 意思伝達の手段として、両方の言語を理解している現地の仲介者の存在も不可欠 であろうと思われる。

以上

日本経済新聞 2005年8月22日「ソフト開発 中国委託拡大」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 13:54

2005年8月28日

2005年8月28日 サイバー犯罪防止と法整備の動き

コンピュータ犯罪増大

最近のサイバー犯罪の傾向
検挙数増加するサイバー犯罪

 警察庁発表によると、今年1~6月に検挙されたサイバー犯罪は1,612件となり 昨年の同期に比べて52%増加したという。特に不正アクセス禁止法違反による検挙が 198件となり昨年の3倍、ネットワーク詐欺も前年同期に比べて2.7倍となった。 特にネットオークションを利用した詐欺が多いという。

高度なサイバー犯罪テクニック

 最近のサイバー犯罪の手口は高度となり、スパイウェアマネーロンダリング(資金洗浄)専門業者の暗躍もみられるようになっている。 例えば、学習塾修学社のネットバンキング用口座から2億5500万円が不正に引き落とされた事件では スパイウェアが背景にあるといわれている。

資金洗浄防止のための法整備
資金洗浄(マネーロンダリング)とは

 マネーロンダリング(資金洗浄)とは、犯罪で不正に入手した資金を 様々な口座を経由させるなどして、資金の出所や行き先を隠す行為のことである。漫画の 「ゴルゴ13」で主人公のデューク東郷が、暗殺で得た対価をスイス銀行 に振り込ませるのはスイス銀行が口座の秘密を守るということもあるが、資金洗浄 の意図があるものと思われる。

 資金洗浄の代表的手法は次の通りである。

  • 巨額資金を小口に分けて他の銀行口座に振り込む
  • 現金を小切手などに変えて別の口座に預金する
  • ダイヤモンドなどの他の商品取引に見せかけて多額の資金を移動する

 最近ではダイヤモンド取引の例のように資金洗浄 の手法も高度化している。

法整備の動き

 政府は資金洗浄の取締りを強化するために、 来年の通常国会に関連法改正か新法案提出を考えている。

 その概要は以下のとおりである。

  • 従来は資金移動に付いて、金融機関だけに顧客の本人確認や疑わしい取引の 都道府県などへの報告を義務付けていた
  • しかし、最近では金融機関を経由しないケースが多いので
  • 監視対象を①宝石商、②貴金属商、③不動産業、④リース業にまで広げる
  • そこで、金融機関と同様に一定金額以上の取引に免許証の提出を求める
  • このほか、都道府県に疑わしい取引を報告させる
システム監査 加藤の意見

 資金洗浄による、不正の発覚を迅速化したり、 未然に予防するための法的整備は大変重要なことである。しかし、以下のような点が 危惧される。

  • 1.法整備によって対象業者の業務手続が煩雑になる
  • 2.対象業者が、法整備に反対するなどして、法整備が不発になる可能性がある
  • 3.そのため、法により定めた手続が有名無実化する可能性がある<

例えば、スキミング被害者に対する法整備の遅れが被害拡大を呼んだ。これは 金融機関が法整備に反対したからだといわれている。このようなことのないように 不正の入り込む隙を与えないことが大切だ。

参考:2005年8月19日 日経新聞「サイバー犯罪52%増1-6月」
参考:2005年8月23日 日経新聞(夕刊)「本人確認義務付け 政府方針 資金洗浄を防止」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 23:37

2005年8月27日

2005年8月27日 ブログで広がる経営者ネットワーク

blog(ブログ)が結ぶ経営のコラボレーション

広がるブログ利用者

 総務庁調査によると2005年3月末でブログ開設者は335万人 (閲覧ユーザ数1651万人)である。これが2007年3月末には、 ブログ開設者は782万人(閲覧ユーザ数3500万人)となる見込みという。 また、ブログソフトなどのブログ市場は140億円になると予測されている。

大手ポータルサイトのブログ戦略

 基本的に大手ポータルサイトのブログ戦略は、「ブログ利用者」 や「閲覧者」の増加によって、ポータルサイトのヒット数を増大することにある。 この結果、ポータルサイトの運用企業には広告収入が入るというビジネスモデル である。

 このほか、大手ポータルサイトの戦略の代表的事例は次の通りである。

  • 楽天は成功報酬型のブログによる商品「推奨」制度
  • エキサイトによる、ブログ品質を高めるためにアダルトサイトや成功報酬型広告を認めない戦略
  • 製薬会社とアロマテラピーブログのような「コラボレーションブログ」

 いずれにしてもブログをポータルサイトの「集客ツール」 と位置づけている点である。

地方の経営者のコラボレーショを促進するブログ

 私の関与する高知の「電脳営業塾」では、主としてBtoBによる 製造業受注を促進する研究を行っている。この「電脳営業塾」のなかの 有志が私的研究会「甚六塾」 を設立し、継続的ITの勉強会を繰り広げ交流を図っている。

 以前から「電脳営業塾」では、岡山の異業種サイト 「吉備きびスクエア」のメンバーなどと コラボレーションしてきたが、有志による勉強会は熱気を帯び、ブログによって 他県の経営者を巻き込んだ交流につながっている。

基本はナレッジの共有

 甚六塾では、自社で獲得したWeb受注のノウハウを占有せず、他のやる気の ある企業と共有し、相互に切磋琢磨するという方針を貫いている。この会の特徴は 次のとおりである。

  • 1.多数の眼により、新たなIT技術動向を監視し、迅速な対応可能に
  • 2.若手経営者どおしのコラボレーションを強化し、相互受注や経営的知識の獲得
  • 3.互いに人間的に尊敬しあうことによって、人間力の強化が可能
  • 4.楽しい雰囲気、参加しやすい雰囲気がブログから伝わり他県の経営者とのコラボレーションが可能
  • 5.ブログを通して新たなネットワークノウハウの獲得

 要点は「ナレッジの共有」である。

システムアナリスト加藤の意見

 著者は平成12年から財団法人高知県産業センターとコラボレーションし、 電脳営業塾とそのBtoBサイト 「高知よさこいファクトリ」 設立に関与している。このサイト参加企業の 総受注額は2004年度で年間3億円弱であると推察され、毎年売上は増加傾向にある。

しかし、これほどの盛り上がりを示すとは全く予想をしなかった。この成功要因 として次のような点が挙げられる。

  • 1.製造業若手経営者の教育に主眼においた支援カリキュラムの成功
  • 2.ナレッジを共有する文化の醸成の成功。
  • 3.若手経営者を束ねるリーダの登場
  • 4.飲みにケーションの成功
  • 5.高知県産業振興センターという中立な組織のコーディネート

この成功の火を絶やさず、拡大して行けたらと思う。

2005年8月17日 日本経済新聞「VBが主役 市場を開く② 増殖するブログ」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 23:39

2005年8月26日

2005年8月26日 IT投資に関する地方の意識格差

IT普及と地域差

ITコンサルタントの本音
はじめに

 私はITコンサルタントとして、各地域や企業から要請を受けて、IT導入 やWebシステムの導入・運用支援をする立場にある。全国あちこちを渡り歩き 実務指導を展開するなかで、ITを普及しやすい地域とそうでない地域がある ことにうすうす気がついている。

IT普及しやすさは文化と気質

 結論からいうと、ITの普及のしやすさは、文化と気質に影響される ことが多い。結論から言うと「決断力がある経営者」「明快な経営戦略 を持つ経営者」はIT普及の支援がしやすい。

IT導入に対してなぜ「明快な経営戦略」が必要とされるのか。 それは、「IT化投資が目に見える効果を生みにくい」からであるからである。 また、「ITが経営者にブラックボックスになりやすい」からである。 IT導入に積極的に協力する経営者は、目に見えにくいものが見えている 人が多い。一言で言うと「想像力」「空間認識能力」「先見性」があるといえる。

 もう一つITの導入の障害になる要因がある。それは、「IT化投資の 抽象性」にある。例えば、「Webを導入したら本当に売れるのか?」とか 「わが社にどのようなメリットがあるのか」と聞く経営者がよくいる。、 そのような経営者はIT化投資の直前で投資をやめる事が多い。これは経営者が 「抽象的な効果に不安を覚える」からであって、このような人は勇気がなかったり 行動力がなかったりすることが多い。

地域の歴史や文化及び風土や環境は、人知れず人の気質に大きな影響を 与えることが多く。これが、ITの普及しやすい地域と普及しにくい地域を 有無原因となるのだろう。

長曽我部氏に見る一領櫃の文化

 戦国時代、四国を制圧した長曽我部氏は常に兵力不足に悩まされていた。 長曽我部氏の根拠地の高知県は今でも人口が80万人しかくなく、今から思うと よくそんな状況で四国を制圧できたものだと考えさせられる。

 長曽我部氏は兵力不足の解消法として一領櫃制度を考案した。この一領櫃 とは、百姓の次男坊でも、鎧の入った一領櫃と槍一本をもってくれば、士分に 取り立ててやるという制度である。この制度が、ざっくばらんで議論好きで、かつ さっぱりとした気風の高知県人を生んだものと思われる。このため、高知県では ユニークな発明をする工業人も多数輩出している。

 このため高知県人には余計な猜疑心を持つ人が少なく、逆にIT化投資上の疑問点 があれば率直に質問し、十分納得すればIT化投資に勇気を持って踏み込んでゆく 気風がある。

 また、高知県人がIT化投資に積極的な理由はもう一つある。高知の工業生産高 が全国で最下位であるため、IT化投資に活路を見出さなければならない経済環境も 関係があると思われる。高知は比較的物価が安い、従って工業製品を安価に作ることができる 。しかし、立地の不利性ゆえ、工業製品の物流輸送コストが多額となるため他の同様の 環境の地域に見積もり負けすることがあった。

IT化投資は経営者の資質と勇気が試される

 乱暴な言い方をするなら、一般論として「戦国武将が強かった地域のIT化 普及は比較的容易」であり逆のケースは大変難しいといえる。東京などのように 雑多な人々が入り混じった社会は別として、結構、人は昔のことを言い伝えで 覚えているものであり、昔の気質や人に裏切られた歴史などを子孫に伝えている ものである。これが、IT投資の最終局面の決断に大きな影響を及ぼすことがある。

 一般的に次のような経営者はIT化投資に向かない

  • 1.先達の資産・遺訓のみをを守るだけの経営者
  • 2.進取の気概のない経営者
  • 3.失敗を人のせいにして、自分で責任を取ることを回避するような経営者
  • 4.経営革新的な経営感覚のない経営者
  • 5.少しの勇気と行動力のない経営者

先にも述べたように、地域によって、IT化投資に消極的な経営者が多い地域と そうでない地域とがある。ある地域では、IT化投資で成功したら自分の手柄、 失敗したら経済団体のせいという態度を露骨に示す地域もある。 また、ある地域ではセミナーでは人が集まるものの(知的好奇心が旺盛か?) 一向に行動に移せない人の多い地域がある。察するにそのような地域の人々は、 とりあえず人並みに勉強しておけば、自分も遅れを取ることはないだろうという 意識なのだろう。

臆病な自分がなぜ創業できたのか

 自分は大変臆病な性格である。だから、失敗しないように経営を進めてきたつもりである。 しかし、なぜ、一応、経営者として6人の従業員を雇用しつつ、会社の利益を出すことができている のか。それには次のような理由があると思われる。

  • 1.常に時代の流れを見つめてきて、人生の節目節目でその時代で要求される 勉強をしてきたつもりである
  • 2.社会人が学問を続けることはリスクとコストが伴うが、そのリスクを 負いながら、学問を継続できたことがよかったと思われる
  • 3.失敗を人のせいにしない、事故責任で行動を行ってきた
  • 4.現状を是認せず、他人に追随せず、行動を自分で決定してきた
  • 5.有望な分野をかぎ分ける嗅覚を磨き、少しの勇気をもって行動してきた

 基本的に時代の変革期にあっては、守りが必ずしも守りになっていないこと が多い。特に昨今のような国際分業時代にあっては、いままでも既得権益を守り ぬくことは大変難しい。そうであるならば、このような変革期を 「ビジネスチャンスと捉えて」自分の能力を社会に問う気概が 必要とされるのではないか。

ZUKUDAS@松本への思い

 ZUKUDAS@松本は異業種の集まったビジネスサイトである。一般的に、個人主義的 といわれる長野県人気質にあって、学ぶ意欲、何かやってみようという意欲のある 人々が集まっている。問題は、その意欲を行動に転化できるかがZUKUDASサイトの 課題といえる。

 1年間の勉強会のあと、メンバーが大幅に再編された。この結果、勉強だけで 満足された方は去ったが、「何かやりたい人」が残った。また、 続々参加しようと申し出がある。
ただ難しい点は、多様な価値観をもつ「ソフトウェア業界人」のメンバを 束ね、統率してゆく器量が事務局とITリーダたちに求められている。  当面、ブログサイトを開設して、その反響や、そこからあがらアフィリエート 収入などで成果を評価しようという計画である。

 賢いけれど、集団としてあまりまとまって行動することの少なかった長野県人が、この難しい 命題をどのように解決できるのかについて私は興味深く見守ると共に期待している。

(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 23:00

2005年8月24日

2005年8月24日 粉飾決算と企業統治について

カネボウの粉飾決算

粉飾決算の概要

カネボウ経営者は、粉飾決算を行った事件が巷間を賑わせている。 このケースは、再三の公認会計士の債務超過指摘を経営者が拒否して、粉飾決算 を押し通した結果が事件につながっている。東京地検特捜部の調査によると、 経営者が「経営破たんにつながる決算はできない」として2002年2月ころから 営業成績を操作していたという。

 この結果、2002年度と2003年度の2年にわたり、連結決算を753億円程度粉飾し、 虚偽の有価証券報告書を関東財務局に提出した疑いがある。

企業統治について

 財務会計学や経営学の用語として「企業統治」という言葉 がある。「企業統治」(Corporate governance :コーポレートガバナンス)は、 「会社は株主のためにある」という観点に立ち、 経営者、及び取締役の活動を監視する仕組みのことである。その仕組みには次のような ものがある。

  • 1.商法監査:商法281条では、会社は監査役の監査を受ける必要があることを明記
  • 2.会計士監査:証券取引法第193条の2等による公認会計士監査
  • 3.内部監査:法律の定めはないが、企業統治の適切性を検証するために任意 で行う監査

 これら企業統治の仕組みは、経営陣が不正を働くことを監視する仕組みとして注目 されている。

システム監査人加藤の所見
ITガバナンスと比較して

 企業統治の仕組みは商法や証券取引法などの法的縛りがある。従って不正も発見 しやすい。これに対してITガバナンス及びシステム監査制度 は法的な縛りがない。この違いが大きい。この結果、システム監査結果の助言 指導にはなんらの法的権限や強制力もない。これが、企業のITガバナンスを大きく損なう 結果につながっていると思われる。

 以前、独立したての頃、ある企業Aの依頼で、Aの親会社Bが推奨する情報システム を検証したことがあった。その結果、B主導のシステムの欠陥を発見し、指摘したことがある。 しかし、Bは問題を改善せず、問題点を指摘した著者は担当を外れる結果となった。

監査というものは、このように監査するものにも大きなプレッシャーとリスクが 伴うことがある。上記のカネボウを担当した監査法人も法的後ろ盾があったとはいえ かなりのプレッシャーだったのではないか。想像に難くない。

情報処理技術者の地位を高めるためには

 情報処理技術者試験が一部の人間に軽んじられるケースとして、法的拘束力 や強制力、既得権益がないことがあげられる。当然、業務的リスクの多い 「システム監査技術者」はもっと社会的に地位が高くても良いし、 法的権限が与えられても良いと思う。そうでなければ、違法行為を発見した場合は、監 思い切った勧告ができない。

 さらに、システム監査人の地位を公認会計士とはいわないものの せめて税理士なみにすることによって、ITガバナンスはより実現性の高いものになる はずである。具体的には、一定規模以上の企業についてはシステム監査 を義務付ける制度があっても良いと思う。なぜならITは企業のみならず社会的インフラ であるからである。

参考:日経新聞 2005年7月30日「カネボウ元社長ら、赤字決算案 突き返す」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 15:20

2005年8月22日

2005年8月22日 会計士、会計監査不正の通報義務へ

粉飾決算発見時の通報義務制度へ=公認会計士制度=

現状の課題=粉飾決算対策=

カネボウ経営者が、粉飾決算を行った事件が巷間を賑わせている。 このケースは、再三の公認会計士の債務超過指摘を経営者が拒否して、粉飾決算 を押し通した結果だ。

 しかし、これは重要な問題を孕んでいる。なぜなら、有価証券報告書に 虚偽記載があると、それに基づいて株を売り買いする投資家 の判断に誤りが生じるからである。

制度改正の趣旨

 金融庁の諮問機関である企業会計審議会は、監査法人や公認会計士の会計監査 手順を定めた「監査基準」のみなおしに着手しつつある。その 改正概要は次のとおりである。また必要があれば「公認会計士法」 改正も行う。

  • 会計士が不正の疑いを持った場合、証券取引等監視委員会などへの報告を義務付ける
  • 悪質な場合、検察への通報を義務付ける
  • 対象となる監査は、上場企業のほか、資本金5億円以上の株式会社など非上場企業も含む
  • 会計士は不正の疑いがあった場合、弁護士に相談して報告を行う。
  • 会計監査の後、不正が発覚した場合、通報を怠った監査法人や会計士は公認会計士法に基づく戒告処分を行う

上記の改正は2007年度実現を目指して行われる。

システム監査人加藤の所見

 本制度改正の課題として、監査される企業と監査法人との間の守秘義務契約 にある。企業にとって不利益な情報(例えば、不正の報告)が守秘義務違反に該当する 可能性もあるからである。

 そこで、「監査基準」改正に当たっては、契約上で会計士が 違法行為を発見した場合は、監視委員会に報告できることを明記するなどの対策が 必要と思われる。

 さらに、通報制度の実効性を確保するためには、通報義務がある 場合の判断基準が明示されなければいけないという指摘も公認会計士からあがっている。

参考:日経新聞 2005年8月2日「会計士に通報制度」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 18:30

2005年8月21日

2005年8月21日 通販市場へのIT活用

通販市場3兆件

専門特化の「単品市場」の戦略

 2004年度通信販売市場は、約3兆円(対昨年対比10%増)となった見込である。 例えば全国の百貨店の総売上高が8兆円割れを起こしている現状を考えると有望な 市場といえる。

「単品市場」戦略のメリット

 単品市場特化戦略の意味は次のとおりである。

  • 1.単一の商品開発や広告の特化できる
  • 2.そのため、限られた経営資源を集中的かつ効果的に投下できる
  • 3.生産ライン、物流ルートが単純になる
  • 4.この結果、コスト削減が可能になる
  • 5.コストカットした分を顧客満足などに振り分けるなどのメリットもある

 要点は「選択と集中」である。

「単品市場」の経営的効果

 単品市場特化戦略が経営に及ぼす影響は次のとおりである。

「単品市場」戦略のメリット

 単品市場特化戦略のメリットは次のとおりである。

  • 1.在庫管理が単純で在庫削減しつつ生鮮品は鮮度を保てる
  • 2.通販市場には値引きなどは存在しにくく、利益を確保しやすい
  • 3.コストカットした分を無料サンプルや電話応対などに振り分けられる
  • 4.この結果、顧客満足CS(Consumer Satisfaction)を達成しやすい
  • 5.お取り寄せ需要の獲得が可能
  • 6.返品が少ない

 要点は「顧客満足の追求」である。

システムアナリスト加藤の意見

 単品市場特化戦略を応用した戦略がネット「お取り寄せ」市場獲得戦略である。 この戦略は次のようなメリットがある

  • 1.ネットで広告を出すことによって、カタログ郵送費等を更に削減できる
  • 2.ブログ等の活用によって、リアルタイムな製品の情報を提供できる。
  • 3.CGI(Common Gateway Interface)ショッピングカートを使用できるので面倒な手間がない
  • 4.欠品がない
  • 5.Webを使って商品情報を豊富に提供できる
  • 6.決済法を選択できる

 例えば、私の関与先である 株式会社小竹食品は、「お取り寄せ」 ビジネスで成功している企業である。特に、いまは新潟・弥彦産枝豆(茶豆)が好評である。 また、「高層マンション需要」を捉え、キリンの生茶などが良く売れている。

参考:2005年8月5日 日経MJ「単品通販 飽きぬ商い」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 11:49

2005年8月18日

2005年8月18日 ブログのリスクと利点及びIT的対策

ブログを巡るリスク管理とマーケティング活用

ブログを巡る企業の思惑

 ブログを巡って、大企業の企業戦略が出現し始めている。本来、ブログの 趣旨からすると、「私的ページ」「日記的ページ」「独り言」という色彩が 強かったが、ブログの広範な広がりと多様な利用形態から無視できない状況になっている。

CRMツールとしてのブログ

 企業が、CRM(Customer Relationship Management) ツールとしてブログを活用する企業が増えている。企業はブログのもつ 「口コミ効果」を利用して製品や市場に対するマーケティング調査に 活用している。そのメリットは次の通りである。

  • 従来型のマーケティング調査で、把握できない本音や嗜好が収集できる
  • マーケティング調査コストが安価である。通常は数百万円~数千万円
  • 中立的な意見も得られる
  • 競合ブランドの評価も得られやすい
  • 自らが抱える良質な会員組織掲示板との比較で客観性が確保できる
ブログのリスクについて

 しかし、上記のメリットのほか「ブログのリスク」 も指摘されている。特に次のようなデメリットがある。

  • ブログは匿名サイトであることが多いため、情報の真実性が問われる
  • ブログによって、品質の高低があるため、マーケティング情報の品質 確保が難しい
  • ブログの匿名性を利用した誹謗中傷、虚偽情報を流されたときの社会的影響が大きい
システムアナリスト加藤のブログによる市場調査に関する意見
ブログのマーケティング調査について

 当社の場合、顧客企業のうち、宿泊施設や喫茶店などの飲食店のコンサルティング を依頼されたときに掲示板による評価を使っていた。その意味で、 ブログは掲示板とともに重要な顧客満足の測定場所として有効な場所だと思う。

ブログのリスクについて

 上記のようなブログリスクを調査するITシステムがある。それが、東京工業大学 奥村助教授の研究成果を製品化した「blog Watcher」である。ブログウォッチャーを 利用すると、製品や企業及びサービスに対して「否定的意見」「肯定的意見」など を分析して、企業評価を数値化して提示してくれる。便利なシステムで弊社も導入を 検討している。

参考:日経MJ 2005年8月12日「ネチコミに聞け」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 08:04

2005年8月16日

2005年8月16日 都会の新生活者需要とマーケティング戦略

都会回帰現象を捉えたマーケティング戦略

東京では都心への人口回帰現象

他の都市で、中心市街地の人口減少が進む中、 東京では都心への人口回帰現象が高まっている。それとともに 回帰した顧客層を狙ったマーケティング戦略が提案されている

 東京23区への人口回帰現象(上位10区)の現状は次のとおりである。

  • ------------------------
  • 順位 区名  人口増加率
  • ------------------------
  • 1位 中央区  13.5%
  • 2位 千代田区  8.7%
  • 3位 江東区   6.0%
  • 4位 港区    5.5%
  • 5位 台東区   3.4%
  • 5位 品川区   3.4%
  • 7位 新宿区   3.3%<
  • 8位 文京区   3.1%
  • 9位 墨田区   2.9%
  • 10位 江戸川区  2.8%
  • ------------------------

2005年1月実績

 都心の人口増加要因として、①通勤や仕事の利便性、②都心型 大型マンションの建設などがありそうだ。

都心需要を狙ったマーケティング戦略

 都心に住む人々を市場と捉えて次のような需要が発生している。

  • 百貨店が新生活者のために、惣菜売り場を強化
  • 百貨店が乳児連れ顧客のために、リビング売り場を強化
  • 上記の顧客の誘引のために、ペットの遊び場を屋上階に設置
  • 銀座に釣堀ができるなど、独身者向け遊技場、アミューズメント施設が設置
  • ネットサイトで、ペット茶が良く売れる(御用聞き需要)
システムアナリスト加藤の所見

 最近、著者の顧客(Web系ECサイト)で明らかに都会のマンション住民による需要と思われる 売上が発生している。例えば、ネットで猫用グッズが売れるとか、上記に帰したように 清涼飲料水が大量に売れる。  これを著者は「高層マンション需要」と仮説を唱えている。すなわち、高層階に すむ住民が下に下りる手間を惜しみ、ネットで買い物をしているのだ。最近の マンションはセキュリティ対策がきついので御用聞きがこない。そんな隙間を ネット需要が満たしている。また、都会人の散歩コースに百貨店があるため、 百貨店が新生活者のため利便性を図りつつ、需要を取り込もうとする戦略も 妥当といえる。

参考:日経MJ 2005年8月11日「銀座・日本橋 住める都」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 23:30

2005年8月15日

PM平成15年午後II 問1・解答例

PM平成15年午後II問1 小論文

1 プロジェクトの概要とチームの役割
1.1 プロジェクトの概要

 私が参画したプロジェクトは製造業A社の受注管理システムである。 本システムは受注から、技術検討、見積り、 生産計画出力までを開発範囲としている。 同システムは主としてデータベースと帳票画面を主体としたシステムである。 このため、システム開発に当たってはDOA法を採用していた。

 プロジェクト組織は、プロジェクト管理者としての私とデータベース 開発チーム3名、アプリケーション開発チーム4名、 ネットワークチームの2名によって構成されている。 当初、上司から打診があったとき、私は「開発チームの主力メンバーが集まらない こと」と「A社が一度システム開発後の運用に失敗していること」 を理由に辞退した。しかし、上司からA社との長年の取引を理由に説得され、 開発組織に参画することになった。

1.2 チームリーダを採用したチームの役割

私がチームリーダを外部から採用したチームは、 データベース開発チームである。 このチームは、業務分析結果であるDFDや帳票、 画面を受けてデータベースの概要設計を行いE-R図を作成後、 データベースの論理設計、正規化・実装、 SQL文の作成を行うことを責務としている。

1.3 社外リーダの採用を検討した理由

 データベースチームは、業務繁忙ゆえ、適切なリーダが他プロジェクト に投入され不在だった。また、開発メンバーは国家資格の有資格者を含めて 優秀なメンバーが投入されていたが若いメンバーが多く、 業務分析に関する知識を備えていなかった。また、 データベースサーバは開発の中核であり、他のリーダなどとの折衝を行う 必要性もあることから、コミュニケーション能力を 備えたリーダの存在が必要だった。

2 社外からのチームリーダの採用について
2.1 社内の協力会社管理体制について

 弊社では協力会社への仕事の依頼を行うための手続きとしてISO9000に準拠する「購買管理規定」が存在している。このため、本件の採用に当たってもこの購買管理規定にのっとって採用手続きを計画した。

2.2 書類選考

<弊社に協力会社として、格付け、登録されている企業及び個人 中から次の条件に該当する人物をリーダ候補として3名リストアップした。
 1.DOA開発にチームリーダとして参画した実績があること
 2.当社での開発プロジェクトに参画した経験があり、 当社の開発標準や仕事の進め方に理解がある人。
 3.若手の指導・教育経験及びスキルのありそうな人物であること。 OJTの指導スキルを持つ人。
 4.製造業の業務プロセスについて理解がある人

2.3 書類の提出と面接の実施
2.3.1 書類の提出

 私は、上司の許可を得て、当該候補3名に打診を行うと共に、業務経歴書の提出を求めた。そのうえで、その人物ごとに質問の項目を決めて、リストアップしておいた。

2.3.2 面接の実施

 チームリーダ候補者3名を個々に面接した。事前にリストアップした面接項目及び質問事項を発意した。特に、①製造業に関する業務知識がどれだけの深さあるか。②会話や説明能力に説得力があるか。③コミュニケーションが苦手な人物に対しても粘り強くわかりやすい話が出来るかなどを中心として面接を実施した。④当社の開発プロジェクトに参画したときの経験を元に開発標準や開発基盤への理解を検証した。⑤また、メンバーの力量を想定した発意を行い、適切なOJT指導プランが回答されるかどうか聞いてみた。  なお、面接は私、上司及び技術専門官の3名でジャッジすることになった。

2.4 上司との協議、他者の助言

 面接の結果を5段階評価で採点して面接に立ち会った3者の意見を総合評定した。また、それぞれの候補者と一緒に仕事をしたことのある、弊社内のメンバーの意見も参考にした。

 以上の結果から、候補者3人の中からX氏を採用した。X氏は以前、弊社で仕事をしたことのある人物で弊社の文書化のルールや開発標準に熟知していた。また仕事の進め方も良く理解している人物である。さらに、若手のOJT指導能力にも定評のある人物であり、現在は独立して独自のソフトウェア開発企業の経営者兼SEをしている人物である。

 人物的にも積極的に他とコミュニケーションが取れ、かつ顧客にも意見の言える人という評価である。

3 評価と改善
3.1 評価
3.1.1 協力会社管理の手続きの妥当性

 私は当社の「購買管理規定」にしたがって、リーダの選定、依頼手続きを行った。この手続きは社内の品質管理委員会による内部監査を受けており、妥当の評価を得ている。

3.1.2  リーダの活動内容の評価

 今回、X氏にお願いすることによって、A社プロジェクトの基幹部分は品質、納期とも顧客から高い評価を受けてノークレームであると共に、社内的にも他のアプリケーションとの連携も十分であった。

 X氏は若手教育もうまく、若手が作成したドキュメントを基にして、ディスカッション形式で若手の設計したドキュメントの問題点や改善点を指摘しながら文書品質を高めてゆく手法をとった。また、技術上の問題点についても他セクションと協議しつつ問題解決した。

3.2 改善点

 今回はX氏にお願いすることによって、プロジェクトが円滑に推移した。しかし、毎回、X氏のように適切な人物の調達が行われるとは限らない。このため、組織的にプロジェクトリーダ教育の体系的な教育体制の確立が必要と考える。また、協力会社の人物に、弊社標準で円滑に仕事をしてもらう仕組みも必要だと考えた。

(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 00:14

2005年8月14日

2005年8月14日 競争激化する宿泊予約サイト

事業提携を主軸にしたシェア競争戦略

宿泊顧客を取り合う楽天トラベル対リクルート・ヤフー連合

経済産業省の統計によると、2004年の宿泊予約ネット市場は1兆2000億円 (対前年比130%)であるという。常々から楽天・Yahoo・LiveDoorなどの ポータルサイトの競争が激化してきているが、 その戦線がにまで宿泊予約システムまで及んできた 様相である。

宿泊予約システムのシェアの現状

 ネット宿泊予約システムのシェアの現状は次のとおりである。

  • サイト名    国内契約施設数 シェア 閲覧者数 利用者数
  • 楽天トラベル  17,000件    29.6% 248万人 1,400万人
  • リクルート&Yahoo15,000件    26.1% 321万人  165万人
  • ジャランネット 12,000件    20.9% 283万人  -------
  • ベストリザーブ  700件     1.2% 103万人  -------

ベストリザーブ:ライブドア傘下企業

出所:ネットレイティングス6月調査結果

 ネット宿泊予約システムのシェアでは、楽天トラベル がトップシェア(29.6%)である。リクルート&Yahoo連合は、閲覧者数こそ 楽天トラベルを上回るが、契約施設数や利用者実績、契約施設シェアで大きく差を 付けられている。

リクルート&Yahoo連合の戦略

リクルート&Yahoo連合による宿泊サイトシェア獲得戦略は次の通りである。

  • 楽天トラベルの手数料引き上げトラブルに乗ずる
  • じゃらんのノウハウを持つリクルートと業務提携しノウハウを得る

しかし、楽天の強みは楽天購買者を把握していて、その顧客を 楽天トラベル顧客にしていること。 これに対してYahooは検索サイトとしてのブランド性が高く 商取引サイトとしての機能を発揮できていない 弱みがある。 このため、Yahoo側としては、既存Yahooへの宿泊予約システム 機能強化が課題になることは間違いがない。

参考:日経MJ 2005年8月5日「ヤフーとリクルート、サイト共同運営」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 kato : 13:13

2005年8月13日

2005年8月13日 M&Aと製造業の事業継承

M&Aは企業を救う?

後継者不足企業の打開手段としてのM&A

中小企業にとって、後継者不足は悩みの種だ。後継者不足を原因として 廃業や法人解散を考える企業が多いからだ。

事例に学ぶ中小企業のM&A
M&Aとは

 M&A(Mergers and Acquisitions)とは、企業の 合併買収のことである。 記憶に新しいライブドアによるニッポン放送株買占め事件にあるように、 わが国ではマイナス印象で捉えられている。しかし、本当にM&Aはマイナス ばかりであろうか。

東大阪商工会議所のM&A仲介について

 東大阪商工会議所は2005年9月に同所内にM&A 相談窓口を設置して企業のM&Aを支援する方針という。 その理由は次のとおりである。

  • 後継者がいない企業が17.6%もある
  • そのなかで事業売却を考えている企業が28.3%もある
  • また、廃業・解散を考えている企業が26.7%ある

参考:東大阪商工会議所2005年5月調査、回答企業301社

中小企業M&A仲介のメリット

 それでは、なぜ、東大阪商工会議所はM&Aを推進 しようとしているのだろうか。その理由は次のような理由による。

  • 東大阪商工会議所管内の企業の多くが1960~70年代に創業し、世代交代を 迎えつつある
  • 同会議所管内には7000社の製造業がある
  • そのうち数百社が後継者難で廃業の危機にある。
  • 産業の発展を目的とする商工会議所にとって会員企業の廃業の看過できない
システムアナリスト加藤忠宏の考え
企業は円滑な世代交代が難しい

 企業は創業者が長期政権をもつと制度疲労を生む。このため、円滑な世代交代 が必要になる。特に昨今のように経営環境が劇的に変革するような環境下での 経営権委譲は企業の盛衰の鍵を握るといえる。

しかし、著者も多くの企業を拝見させていただくに、成功した企業ほど世代交代が 大変難しい。その理由は、①後継者の力量不足、②婿養子などの後継者台頭を創業者が 認めない、③子息が事業継承を望まず、④創業者が社長の座に固執するなどの理由である。

ものづくりの文化を継承する重要性

 わが国のものづくりの文化は世界に稀有の技術力を有している。それが、 コストを重視する大企業の中国進出によって、危機的状況に陥っている。 しかし、2004年ごろから、仕事を中国から取り返しつつある企業もある。 その理由は、①中国人に出せない品質がある、②特殊なオンリーワン技術をもつ 企業がわが国に存在するなどの理由である。このものづくりの文化は若国の 宝であり。技能継承は国力維持に必要な対策である。 その意味で、今回の東大阪商工会議所のM&A推進は商工会議所の 新しい試みとして評価できる。

参考:2005年8月10日日本経済新聞「M&Aで後継者難救え」

投稿者 kato : 22:48

2005年8月12日

携帯電話を使ったポイントカードシステムの利得

携帯電話を使ったポイントシステム

ケータイが進化してきた。最近では、携帯電話を使って自動販売機が 利用できるような仕組みも提案されている。また昨今では、ケータイを 使ったポイントシステムも提案されつつある。

ケータイを使ったポイントシステム

 かつてはポイントシステムといえばカードシステムだった。ケータイを使った ポイントシステムにはどのような利点があるのだろうか。以下のような検討を 行った。

  • ケータイは常備するものなので、ポイントカードのように顧客が忘れない
  • ポイントカードは紙カードで30円、ICカード入りで1400円かかる。カード発行分の 情報化投資が省略できる(数千万円)
  • 電子メールによる販売促進と組み合わせた販促戦略が立案できる

上記のような利点から、店舗側にはメリットのありそうなシステムであるが ユーザ側からみるといくつかの課題があるように思われる。

ケータイを使ったポイントシステムの課題

ケータイを使ったポイントシステムには以下のようなセキュリティ上の課題があると思われる。

  • ケータイを紛失すると個人情報が流出する
  • ケータイを他人に利用しても、本人確認する手段がない
  • ケータイの不正利用による、ポイント不正利用が可能になる

デビットカードもそうだったように、ケータイも紛失による経済的被害についての 保険もないなどユーザが不利なような仕組みになっている。 したがって、ユーザは便利だからといって、安易に利用すると思わぬ経済的 被害に見舞われる可能性があると思われる。

(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 suzuki : 10:14

2005年8月 5日

2005年8月5日 今日は新聞社の取材がありました

今日はお客様のところを訪問したら取材されちゃいました

ある協同組合さんにおじゃましています。

投稿者 kato : 19:12

2005年8月5日 ビジネスブログ戦略

ブログ(Web log)コミュニケーション

ブログは日記風簡易型Webである。Webサーバ上にブログを置くことによって Webの更新が容易になったり、トラックバックなどのリンク設定及びリンク先 への通知機能がつくなど便利なコミュニケーションツールになっている。

著者の事務所のブログ活用

 著者の経営する会社もMovable type Dr.blogを使って、ブログを4本運営 している。この結果、Webの更新が容易になり、そして、毎日の更新が行える ようになった。

 弊社内組織では次のようなシーンでブログを活用している。

  • 新アナリスト日記:担当加藤:体系的なシステムアナリストの知識と受験フォロー
  • 新KATOの講演紀行Pert-2:担当加藤:コンサル風景、お客様との日常を切り取り表示
  • i-link-news:担当庶務:弊社からの公式リリース、講演の案内等
  • 社員の秘密日記:担当三浦:社員の本音、書評など

何を隠そう、このブログも上記の仕組みで校正されている。1ヶ月のヒット数は 新katoの講演紀行Pert-2(以下、講演紀行)が最も多く、2,500ヒットくらい。 新アナリスト日記は2,000ヒット前後である。

ビジネスブログの効果について

弊社がブログを導入して、Webの更新以外に感じるビジネスメリットは次の とおりである。

お客様との綿密なコミュニケーション

「講演紀行」はコンサルテーション活動の断片を切り取ったものである。 通常、コンサルの場合、お客様との写真や活動記録を公開するものは皆無に近い。 しかし、それゆえ、コンサルは「怪しい職業」と思われがちだ。しかし、その 断片を公開することによって弊社では、新たな顧客開拓に成功している。

新KATOの講演紀行

無論、職業柄、お客様の機微情報や機密情報は公開しない。しかし、 コンサルテーションの楽しい側面をつなげることによって、良好な顧客との 関係を維持できるほか、良質なお客様とのご縁も生まれている。

テストマーケティング効果

また、講演紀行では、「商品の写真の撮り方の見本」「デジタル一眼レフの 性能」「写真の掲載レイアウトの工夫」「写真表現と読者の反応」をテストマーケティング できる。

どのような写真や文を掲載したら、読者がどのような反応を示すかなどを 遊び心を込めて実験している。

イメージ戦略

ある特定の人は著者のことを「恐ろしい人」「油断ならない人」と喧伝 する向きがある。そのような誤った情報を排除するために、著者の実像を お見せすることにしている。

例えば趣味の旅行や写真の話、地域の特産品やグルメ情報を実体験に基づいて 紹介することにより、新しくコンサルタントとして赴任した地域でも 円滑に誤解なく地域の人々とコミュニケーションできている。

受験のきめ細かなフォローアップ

システムアナリスト(AN)やシステム監査(AU)及びプロジェクトマネージャ(PM) などの試験の場合、著者やセミナー受講機会が限定される。このため、掲示板を 掲載することにしたが掲示板にはセキュリティ上の字数制限がある。

このため、かつては、「もっと体系的に説明したいのに」と切歯扼腕することがあった。 しかし、ブログであれば、自分の考えを800字程度の言葉にして、体系的に説明する ことができる。

アフィリエート広告収入

ご存知と思うが、著者サイトでは成功報酬型のクリック型アフィリエート広告 が導入されている。この収入が全サイトを通じてある程度まとまった金額となっている。 今後は「第三の収入源」として期待している。

成功報酬型クリック広告の場合、おおよそクリック率が1.5%以上、特に「文書型 コンテンツ」のクリック率が高いという傾向が出ている。これも今後のコンサルテーション 活動に生きることだろう。

ブログを活用したニュービジネス

日経新聞静岡県版によると、静岡県内の企業がブログのトラックバック機能を 改善し、写真や画像からもトラックバックが張れるASP(Application Service Provider)機能を 開始するという。

確かにトラックバック機能は便利であり、ブログどうしの相互コミュニケーション として優秀な機能である。一般には文書からトラックバックをするものであるが、 写真からトラックバックすることによって視覚からのコミュニケーションが 発生する。

最近では、Webショップをブログ上に掲載するショップも増えている。 それゆえ、自分の掲載商品について、仕入元サイトにトラックバックすれば 顧客は用意に製品のスペックを入手することができるだろう。ブログ活用の 応用範囲が広がるかもしれない

参考:2005年7月21日、日経新聞、静岡経済「ブログのリンク機能」
(c)アイ・リンク・コンサルタント 加藤忠宏

投稿者 suzuki : 14:50

2005年8月 4日

2005年8月4日 ご質問に対する回答

プロジェクトの増員に関するご質問

暑いですね。今日も長野におります

DSCN2860.jpg

以前、増員に関するご質問がありましたが、以前、このブログに回答したとおりですから 恐縮ですが、もう一度、内容を良くお読みください

投稿者 kato : 09:35