« 2005年6月28日 特許戦略(知的財産権の防衛)1 | メイン | 2005年6月30日 要員管理の課題について »

2005年6月29日

2005年6月29日 情報戦略の立案と構想の難しさ

将棋ソフトアマ竜王戦ベスト16

将棋ソフト「激指(げきさし)」快進撃

将棋ソフト「激指(げきさし)」がアマチュア竜王戦でベスト16に入った。 アマ竜王戦は国内トップクラスの集まる棋戦であり、優勝者はプロの 大会にも出場権が与えられる。そのなかでグループリーグを突破して さらに決勝トーナメント1回戦を突破してベスト16入りした。 2回戦に破れベスト8は逃したが、今後の可能性を感じさせる。

「激指(げきさし)」は独立行政法人職員の鶴岡さんが開発したソフトである。 このソフトは、毎年行われるソフトどおし大会に優勝して、人間の大会に 出場権を得た。

人工知能の弱点の補強が課題

AIに将棋の感覚を仕込む場合、駒を点数化させたり、局面の優劣の判断テーブル をもたせるなどする。さらに、良い形、すなわち、「銀が二枚並んだ形 が優秀」という定義を行う。

将棋ソフトは、局面の多様性がなくなる終盤に強みを発揮する。つまり、 人間だったら「詰むや詰まざるや」という局面の判断が早い。これは、 しらみつぶしで可能性を高速に検索する。だから、プロとの角落ち戦では 「激指(げきさし)」はプロの気がつかない詰み手順を見つけて勝利した。

しかし弱点もある、定石などの決まりきった手順には強みを発揮するものの、 アマトップクラスの高度な序盤戦略には対応できない。人間独自のもつ「戦略性」 や「構想力」の実現が重要な課題となっている。

ANらしい戦略構想を持つためには

生徒さんから「私は情報企画書などは書いたことがないので、情報戦略など 思いつきません、だから、論文が欠けないのでどうしたらよいでしょうか」 という質問を受ける。

現状を是認しない態度が戦略性を有無

しかし、戦略性などというものは、日常から養うものであって、 即座に身につくものではない。日常生活の課題について深く疑問を持ち、 その問題をどうやったら解決できるかを真剣に悩んでいるものに戦略性は 宿るものである。つまり、流されていることに満足している人間には 「戦略性などない」と断言しても良い。

戦略が生まれる過程

著者が顧客企業の情報戦略を組み立てるときは、顧客企業の弱点に着眼する。その弱点が解決すべき 課題であるという認識に立つ。次にその企業を取り巻く外部環境と、組織的体制を確認する。 これは、問題を解決するための制約条件を確認するためである。

そして、顧客に対して、幾つかの提案を行う。しかし、顧客は大概「制約条件があるから駄目だ」 と答えてくる。ここで発想の転換を促す必要がある。顧客は固定観念に固まってしまっていて 「今まで駄目だったのだからどうせ駄目だ」と考えているからである。

問題解決を困難にしている要素として組織内および、組織間の利害 対立がある。特に「自分だけ利益を得よう」とすると抵抗は大きい。 皆、利益を得たいからである。これがビジネスの基本である。

相互利益の戦略が実現させる戦略構想

例えば、良い商品を持っていても販売力のない顧客Aがいたとする。 また、企画力はあるものの、業界に知名度のないWebコンテンツ製作者Bがいたとする。 もし、あなたが業界に顔が利くのであるならば、Aの商品を販売するサイトをBに 作らせればよい。そして、あなたはその見返りに成功報酬型で利益を得ればよい。 ビジネスとはこういうものである。

逆に失敗する情報構想として、ITベンダーの提案する、BtoBサイトあるいは BtoBソリューションなどがある。これらは、問題可決の一気通貫を標榜し、 結局は1社で利益を得ようとしている。だから売れないのである。 業界はその単純な思考から早く抜け出す必要がある。

参考:日本経済新聞2005年6月27日「アマ竜王戦ベスト8ならず」序盤でつまづき惨敗



投稿者 kato : 2005年6月29日 15:08